2001:ポリンカード
始まりにして最弱にして最多のカード。
当時はゲテモノ臭のする強烈なデザイン。効果などないコレクターアイテムだった。

2002:ウィスパーカード
数少ない効果実装済みカードの中でひときわ庶民を魅了し続けた一枚のカードがあった。
それは驚異的な回避力を手にできるカードであり、回避至上主義であるその時代、FLEE+20というメリットは凡夫なキャラクターを一つ上のステージへと連れて行く存在だった。
ウィスパーを倒せるのは属性攻撃のみ。属性武器のない時代、それはいわば一部の特権階級にしか手の出せない代物だったということに疑問は浮かばないだろう。

2003:スケルトンワーカーカード
ほぼ全てのカード効果が実装され、特別人気が出たカードというと自分はまずこれを挙げる。汎用性に優れた効果であることだけでなく、スケルトンワーカーという金銭効率に優れたモンスター、そして手頃な強さと湧き――――つまり庶民にとってそのカードは一攫千金の象徴であり、その特化武器を持つことは冒険者にとって狩場の幅を広げる可能性の象徴であった。

2004:マルクカード
対人が意識され始めた時代、ついにそれまで日の目を見なかったカードたちが本来の価値を帯び始める。このカードはその最たる存在であり、イズルード海底神殿ダンジョンをBOTの巣窟へと叩き落とす最たる理由ともなっていくのであった。
そう、時代は大海賊時代へと向かっていくのである。ずさんなパッチを潜り抜ける中華チーター軍団!大量のBOT産アイテムが市場に流れ込み、時代を憂えたと言わんばかりにファッション引退宣言をするプレイヤーたち!あの炭鉱もBOTの山へと化した。庶民の夢はBOT産のアイテムと大して変わらないのだ。貨幣価値が下がり、インフレが止まらない。それでも夢から覚めやらぬ人々はBOTが手を出せぬ一攫千金……すなわちBOSS厨か転売厨へとクラスチェンジしていくのであった。

2005:レイドリックカード
転生システムが実装し、では何が一番人気の職業になりえたか?
なかじまゆかが描くハイプリーストに他ならなかった。少なくとも日本ではそうである。すなわち『アスムがなかったらソロで崑崙でもいけばいいじゃない』の時代の到来である。
高レベルダンジョンはひたすら高ATKモンスターの巣窟へと化した。アスムが前提にあるような雑な設定のパワーモンスターたち。それは特にボス狩りにおいて著明であり、ついには属性付与セージ、支援用ハイプリという魔の二垢支援ボス厨へと多くのプレイヤーを覚醒させるに至った。奇しくもリアルニッポンではデフレ真っ盛り。ロースペックパソコンもお求めやすい価格になったのも二垢増加の理由なのかもしれない。
なお、「当たらなければどうということはない」→「当たったら結局死ぬ」ということで回避厨はちょっと減った。みんなレイドcをたしなみに持つ時代へと移り変わったのである。

2006:スモーキーカード
そうです、生体ダンジョンが実装したんです。
アスム厨どもめ!そんなものだけではどうにもならない地獄を見せてやる!という重力様のスピリチュアルメッセージがひしひしと感じれる、そんな魔のダンジョンがついに日の目を見てしまったのです。
どう考えてもヤリすぎです。本当にありがとうございました。などと騒いでいた庶民たち。
一方でBOTには立ち入れることのできないハイレベルなダンジョンがもたらす地位と名誉。というかレアアイテムと経験値。
欲望は尽きることなく、「わたし、臨公で騎士団行くのが好きなんです~♪」と宣う俺の姫プリをモノのひと月で、カトリのFD確認後1秒足らずの高速リカバリーが可能になるほどの立派なバトルモード使いのハイプリーストにクラスチェンジさせてしまうほどの、いわば「※特殊な訓練を受けているので真似しないでください」へと昇華させてしまうのである。もうここまでくると初心者なんて入る隙間ないわな。
というわけで出ていく人は増える一方なのに、新規のプレイヤーは他のネトゲに奪われるというわけで、ついにこの時期からガンホー、苦し紛れの燃え立つ願いから課金アイテムを手札に加えるいうゲーム外からお金をゲットできる禁止改正(課金アイテムの実装)を発表するのであった。
なお、そんな中でもソロプレイヤーたちは血と汗と勉強料(デスペナ)を流しながらスモーキーカード(ハイディング)を駆使しながらカトリの魔法を避け続け、それでもどうにもならないSP事情は回復剤垂れ流しというわかりやすい回答を得、それにかこつけておもちやカボチャパイを大量に買い込む投機事業まで生まれることとなった。

2007:ジャックカード
相変わらず生体ダンジョンがαでありΩである時代。
そんな時代に一石を投じようと、なんか似たようなレベルのダンジョンを作ろうとしたものの、フレイヤ神殿は誰得であり、氷の洞窟はスパイラルピアースとクリティカルが鳴りやまぬ騒音地帯と化していた。つまり重力の敗北。
火山ダンジョンもそんなもんなんだろーって感じで実装してみたら、最近影の薄いSG厨大歓喜。ジョブポイントの死んだジュピロスダンジョンや、いまひとつレアもパッとしなくなった古城2Fで「俺の撮った狩り動画見ろよ。このキリエとアスムの使い分けるタイミングすげぇだろォ?」的な自己顕示欲を満たす以外行き場を失いつつあったハイプリとハイウィズの悲しいふたりぼっちたちに夢と希望を与える存在となったのである。自虐もいい加減にしろ!

2008:深淵の騎士カード
生体ぬるい……。経験値は拳聖でいいわもう……。
それが一般常識になったとき、俺たちのモロクはなぜか廃墟になった。
このあたりから真のソロプレイヤーを名乗れるのは潤沢な資産を持つものにのみ許される珠玉のカーストへと昇華されたのである。
つまりモロクで狩りするにも、タナトスで狩りするにも、深淵の騎士カードが無ければ話にならないのだ。当然!4枚挿しィ!!
ボス厨にしか使わない無駄に高いカードというイメージ(あるいは騎士団で一番高いカード)というイメージしかなかったコイツが突然庶民の憧れとなったのである。
ライドワード帽、深淵の騎士装備、アリス盾に身を包んだものこそが本当の意味でソロプロプレイヤーであり、それ以外のダンジョンでそれ以外の装備を付けていると、人力BOT扱いである。転生してない方が、廃人のサブキャラだと思われてちやほやされる時代がやってきたのだ。完全にこのコンテンツ終わりかけてる。

2009:デビルリングカード
ROはもう駄目だなっていいながら、もう何年続いたよ?という声が聞こえてきますが、このあたりから庶民にもカーストが分かれ始めていた
A級庶民:上述の三点セットはある、ボスカードとかそういうのはない
B級庶民:上述の三点セットがないけど、まぁ大体の汎用装備はある
C級庶民:自称まったり派、人口は多いけど経済(課金アイテムの使用)に貢献しないため無条件で虐げられる
D級庶民:おもちとかぼちゃパイの実装日だけログインする
そんなA級庶民が急増し始め、なんか結局すでにボスカードとか神器持ってる究極廃人には辿りつけやしねえーという鬱積する不満を解消するために、メモリアルダンジョンを実装してあげるガンホーちゃん。
そんな彼らが自分へのご褒美として欲しいアイテム1位がデビルリングカード。もうゴーストリングカードなんて普通すぎて、対人スレでも所持者リストの更新とかもうどうでもいいだろって突っ込まれる始末。デビリンcをゲットしたら、わざとレイドリックとかに囲まれて殴られ続けると「あれ?なんかあのハイプリのダメージ少なすぎね?……あ!デビリンcだわ!すげぇ!」という庶民的自己顕示欲求を簡単に満たせるという夢のカードであった。

2010:アリスカード
タナトス臨公って最高ですよね アヘー
というわけでこのカードを欲しがりプレイヤーが急増。アリスたんハァハァとタナトス下層でテレポ連打する日々が今日も始まる……。
ここまで来るとゲームしてる感じがまるでしないが、長いラグナロクオンラインの歴史においてアリスc出るまで一つのダンジョンに一日何時間、それを数カ月続ける日々というものは別に苦行でも何でもない当たり前のことだということをみんな知っていた。
昔からこのゲームをしている人の歳も、いつやら十の位が一つ増えている。大学生だった男の子は、家庭を持ち、職場でも中堅ともいえる立場になっていることだろう。
数Gの資産を残しただって?それって多分RMTで換算したら百万円にもならない。つまり中途半端な廃人の頑張りなんて、社会人のボーナス2回分ぐらいの価値しかないのである。

2011:ハンターフライカード
キャラクターのインフレも激しく、どんどんソロプレイヤーが増えていく。
そうなるとこのカードが愛おしくなる。なんて皮肉なことだろう。
パーティーを組めることが、まさかこんなに素晴らしいと感じられるようになるなんて。
日曜日の攻城戦の後、ほんの数時間のエンドレスタワー攻略こそが一番ROをやっている時間なのである。
世の中がモバゲに支配される中、コンシューマーが虫の息になりつつ中、キリトさんがレベル制のゲームをディスってる中で、時代の貴公子であったMMORPGの雄「ラグナロクオンライン」は未だそのスタイルをほとんど変えることなく生き続ける化石であった。

2012:ガンホー株
まさかのパズドラ好気にガンホーが勝ち組になるなんて、多分ROプレイヤーが一番驚いていることだろう。
静かなる終焉をどこかで臨んでいた現役プレイヤーたちをある意味で絶望に追いやる事実である。だってROというタイトルで赤字でもパズドラで赤字埋めちゃえるし、よっぽどガンホーが追いつめられないとROというタイトルを手放したりしなくなったってことだしな……。
つまりこの真綿で締められる日々は当分終わりそうにない。
もういい加減引退すればいいのに、やめどきがわからずズルズルと続けてしまう。今辞めたら築き上げてきたものが全て台無しになるし……。
そうだね、だから半引退だ。そしてそのまま戻らなくなる古参が増えたよな……。

2013:パズドラ
10年間のROの歴史を振り返るとかいって半年間無料サーバーとか開いてるけど、もう話題にすら挙がらないところを見る感じ、全てを物語ってます。
とはいえ、ROの10年はいわばMMORPGの光と闇を全て背負った歴史。ある意味で歴史的資料。これからもその歴史を笑っていいとも!と同じように、だらだらと刻んでほしいと思っております。



最後あたりカードですらねえなコレ

コメント

osa
2013年8月9日16:51

通りすがりですが、すごい納得できました。

ただ、スケワカcよりはソルスケcの方が当時はなんか格好良かった気がします。
+8TCJが普通に目標だった頃が懐かしいw

有無で性能差があったcだとフェンさんも挙げたいですが、挙げるタイミングがないですねえ……。

arikaora
arikaora
2013年8月9日16:52

カード=株券に成り果てたと言う事でFA.
でも柴犬帽は面白かった。

Hatebeer
2013年8月10日20:30

RO引退してる身ですが、懐かしい思い出にひたれました。
勝手ながらリンクさせていただきます。

しげのふ
2013年8月11日3:02

>osaさん
TCJはクリアサにとって神器でしたもんね……
スケワカに限らず、みんな思い入れのあるカードが多分あると思います
それこそwizプリメインの人ならフェンクリは不可欠な装備でしたしね
リンクさせて頂きました

>arikaoraさん
上場してから速攻で暴落したあの株をずっとタンスで眠らせていた人が今や勝ち組ですからね
MTGでいうなら当時原価割れする程の捨て値で売り捨てられていたポータル三国志ぐらいの大逆転劇ですわ……

>FateKさん
はじめまして
自分もゲーム内資産はそのままにほとんど隠居した身ですが、昔のROを懐かしく思います
こちらからもリンクさせて頂きました

ガッキー
2015年6月28日7:26

βから2011までROやってた者です
とても懐かしくて楽しく読ませて頂きました
自分はデビc持ちでしたので、棚や火山で重宝しました
一番はGvで凍らない、阿修羅で落ちないでしたけど(笑

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